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事業承継について(第1回)(社員税理士・小松忠孝)

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コラム

2022/09/05

事業承継について(第1回)(社員税理士・小松忠孝)



税理士の小松です。税理士法人タクトのホームページを御覧いただきありがとうございます。
今回は、会社経営者が事業承継を考える上で必要な事柄を、全5回に分けて説明させていただきます。

第1回 後継者の選定

 中小企業の経営者は、現場作業や営業、事務作業など目先の仕事に日々忙しくされている方が多いと思います。その中で、常に後継者を誰にしようと考えながら、経営をされている経営者は少ないのではないかと思います。

 しかしながら、後継者候補を選定し、育成するのには、一般的に3年から5年と時間がかかります。また、病気や怪我により急遽、社長を引退せざるをえないという事態も考えておかなければなりません。そのことから、早い段階から後継者の候補生を複数人リストアップし、評価し、適任者を絞っていくことが大切といえます。後継者の候補生を複数人リストアップすることは、競争原理が働き、後継者とその後継者のブレーンを育成することにもつながってきますので重要となります。つまり、経営者の大きな仕事の一つが、親族や従業員の中に、自分の仕事を任せられる人材がいるのかを把握し、権限・責任を移譲していくことにあると考えられます。

 また、事業承継のタイミングは、後継者候補の年齢と考えるのも一つの案です。なぜならば、経営者が1歳年齢を重ねれば、後継者候補の方も1歳年齢を重ねることになります。事業を承継する側の年齢は今後の会社経営のことを考えれば、より重要となります。後継者候補の方が年齢を重ねることで、経営に対する意欲・気力の減退を生じさせてしまう可能性があり、結果として後継者が育たない・タイミングを逸してしまうこともあるでしょう。中小企業の社長の場合には、大企業の社長のように平均して任期が10年未満であることは少なく、20年~30年の任期を想定して、安定した経営陣のもとで、じっくりと会社を伸ばしていくことを考えれば、40歳で社長に就任しても、早すぎることはないでしょう。早期に後継者候補が決まれば、後継者候補は自覚が芽生え、また、勤務する従業員や取引先に対しても安心を与えられます。

 万が一後継者が決まらず、経営をする者がいなくては、会社の経営は行き詰まり、その会社に勤める従業員の生活の維持や、取引先との継続的な取引も危ぶまれることとなるでしょう。

 このことから、後継者候補がいない方は、早期に後継者候補を選定し、育成していくことを強くお奨めいたします。

  

 次回は、事業承継を確実に進めるためのスケジュールについて、説明をさせていただきます。引き続きよろしくお願いいたします。