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バラ色の未来になるか? 『週休3日制』への期待と不安

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2021/06/16

バラ色の未来になるか? 『週休3日制』への期待と不安
 

 

新型コロナウイルスの感染が広がるなか、さまざまな新しい働き方が模索されてきました。
2021年4月には、自民党が『週休3日制』の導入案を発表して話題になりました。
休みが増えれば、労働者にとっては嬉しいことですが、給与が減ってしまう心配もあります。
企業にとっては、生産性向上や雇用の柔軟化などのメリットがある一方で、業務の停滞やコストの増加などの懸念事項もあります。
今回は、議論されている週休3日制について解説します。

週休3日制のメリット・デメリット

2021年4月、自民党が、希望すれば休日を週3日とれる『選択的週休3日制』の実現に向けて本格的に動き出しました。

週の休みが1日増えることへの受け止め方はさまざまです。
「実質的に仕事は減らずに給与がカットされるのではないか」、「そもそも週休2日制すら実現できていないではないか」、といった疑問や批判もあがっています。
もし週休3日制が普及したら、どのようなメリットがあるのでしょうか。

週休3日制を導入した国の例として、オランダがあります。

オランダでは、1人あたりの労働時間を短縮することで、仕事を分かち合い、より多くの雇用機会を生み出す『ワークシェアリング』という考え方が浸透しました。
もともとは失業率の高い国だったオランダは、企業が雇用確保や時短の努力をするかわりに、労働組合は賃金抑制に協力するという約束のもと、ワークシェアリングを開始し、成果として失業率が大幅に低下しました。
そのなかで、週休3日制で働く労働者も多くなったのです。

休日が増えたことにより、オランダでは、育児や介護などのために就労をあきらめていた労働者が、働き続けられるようになりました。
その結果、育児や介護のためにキャリアを中断したり、離職したりする人が減り、男女間格差が少なくなりました
また、仕事が見つけにくい高齢者の雇用機会を守りながら、若者を採用することも可能になるなどのメリットがありました。

日本においても、オランダと同じようなメリットが見込まれます。
それに加え、これまで、いわゆる『サラリーマン社会』だった日本で、自ら起業する人が増えるのではないかともいわれています。

これまでは、兼業・副業をするには、自分のプライベートの時間を削る覚悟が必要でした。
しかし、もし休日が1日増えれば、その時間を使って自分の仕事ができるため、会社への依存度は低くなると予想されます。

また、会社組織における生産性にも変化が現れるはずです。
就業日が4日になると、限られた時間内で仕事を終わらせるという意識が高まり、各従業員が不要なコミュニケーション・雑用などをなくし、効率的に仕事に取り組むようになると期待されています。

さらに、体力の落ちている高齢世代が、定年退職年齢を過ぎても、自分のペースで仕事を続けられるという面もメリットであるといえます。
退職前から兼業で起業しておき、退職後にその仕事を本業にするといったリスクの少ない方法も可能になるでしょう。

もちろん、週休3日制の普及段階では、取引先や子会社と労働時間が一致しなくなるなどのデメリットも考えられます。
残業が増えたり、労働時間が延ばされたりといった不利益が生じる可能性もあるでしょう。
しかし、少しずつとはいえ、この制度を導入するようになった企業が増えていることも事実です。

メガバンクのみずほフィナンシャルグループでは、2020年12月から本社・子会社社員を対象に、週休3日・4日制の希望者を募りはじめました。

日本の伝統的な会社制度が根付く大手銀行でありながら、『コロナ禍での経験を会社の変革につなげる』という目標のもと、週休3日・4日制を導入したことは、経済界の大きな話題になりました。
給与は、週休3日で従来の8割、週休4日で従来の6割に減るため、人件費の圧縮を狙っているという批判もありましたが、導入を支持する声は少なくありません。

ほかにも、佐川急便やファーストリテイリング、日本IBMなどの大手企業が、週休3日制を導入しています。

いずれにせよ、週休3日制が導入されれば、日本型の『会社に人生を捧げる』スタイルの雇用システムは、徐々に維持できなくなっていくはずです。

週休3日制は、『プレミアムフライデー』のように、有名無実となるか、社会に浸透していくかの分岐点にあり、注目していきたいところです。


※本記事の記載内容は、2021年5月現在の法令・情報等に基づいています。