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使い道のない空き家を相続してしまった際の対処法

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相続

2022/09/14

使い道のない空き家を相続してしまった際の対処法

わが国では、空き家が年々増加しており、社会問題になっています。
使い道のない空き家は、固定資産税が年々かかることに加え、近隣住民から苦情が来たりとトラブルが起きやすく、なかなか一個人には手に負えない存在です。
ではもし、自身がそうした空き家を相続した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
今回は、空き家を相続した場合の登記手続きや、使い道がないときの活用法について解説します。

空き家を所有することのリスクとは

総務省の調べでは、2018年時点での全国の空き家の数は848万9,000戸にもなり、その傾向は現在も続いています。

特に、両親が老人ホームや子ども宅に転居し、もともと住んでいた家が空き家になるケースが後を絶ちません。
もし、空き家化した親の家を相続することになったら、放置せずに対処しないと、さまざまな問題が発生することになります。

一つは、固定資産税や都市計画税などの税金です。
住宅用地にかかる固定資産税は通常、減額特例が認められおり、一般住宅用地は課税標準が1/3に、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は課税標準が1/6に減額されます。

しかし、2015年に施行された『空き家対策特別措置法』によって、管理状態が不十分な空き家は『特定空き家等』と指定されることになりました。
『特定空き家等』に指定され、自治体からの行政指導を受けても改善せず、さらに勧告に対しても必要な措置が講じられない『特定空き家等』の敷地については、減額特例から除外されるため、最大で6倍の固定資産税を納めることになります。
また、都市計画税についても軽減特例が適用されないため、通常の税額を支払うことになります。

近隣住民とのトラブルも、空き家を巡る問題の一つです。
国土交通省によるアンケート調査では、『管理水準の低下した空き家や空き店舗の周辺への影響』について、『風景・景観の悪化』が1位で、『防災や防犯機能の低下』と『ゴミなどの不法投棄等を誘発』が続きました。

ほかにも、雨漏りや小動物のすみかとなることで、衛生環境が悪化する、建材が脆くなって倒壊するといったリスクが考えられます。
空き家を放置したままだと、これらの悪影響からトラブルに発展する可能性もあります。
もちろん、手入れをしなかった物件は、年々資産価値が低下してゆくでしょう。

さらに、屋根の瓦や外壁の落下などで通行人が怪我をした場合、空き家の所有者が損害賠償責任を負う可能性もあります。
放置された空き家は、金銭面の負担が増えるばかりか、他人の迷惑にもなるのです。


相続放棄した空き家は登記の必要なし

もし、売却するあてがなかったり、遠方に住んでいて管理が難しかったりする場合などは、相続を放棄するという手段もあります。

ただし、相続放棄は、空き家以外の相続財産もすべて放棄することになるので注意が必要です。
また、相続人全員が相続放棄した場合、財産は国庫に帰属することになります。
そのための手続きに入るにあたり、弁護士や司法書士などを『相続財産管理人』に指定しなければいけません。
さらに、相続財産管理人が空き家の管理を開始するまでは、空き家の管理義務は元の所有者に残ることになります。

一方、空き家を相続すると決めたなら、すぐに相続登記を行う必要があります。

不明の土地問題を解決することを目的に、これまでは任意だった不動産の相続登記が2024年(令和6年)4月1日から義務化されることになりました。
2024年(令和6年)4月1日からは、不動産を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請を行う義務があり、もし正当な理由がなく、相続登記を行わなかった場合は、10万円以下の過料の対象となります。

遺産の相続は、遺言書や遺産分割協議の有無などによって手順が異なりますが、相続登記自体は、戸籍謄本や土地の登記簿謄本などの必要書類を揃え、申請書類を作成すれば自分で行うことも可能です。
ただし、手間や時間もかかるため、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。

相続登記が済めば、所有者として空き家の利活用についても考えていかなくてはなりません。

一般的には不動産会社に管理を委託して、賃貸物件として貸し出したり、自らの住居として活用する方法などが考えられます。
貸し出したり、住んだりするためには、大規模な修繕やリフォームが必要になる可能性が高いので、費用対効果に見合うかどうかを確認して判断しましょう。

貸し出しや居住の予定がない空き家は、売却する方向で考えていくことになります。
相続人が複数存在する場合は、売却によって現金化することで遺産を分割しやすくするというメリットもあります。
管理が難しい場合は、思い切って手放すのも選択肢のひとつです。

ただし、そもそも立地条件が悪い・古い、といった理由で活用方法がない空き家の場合、売却にも長期戦を覚悟する必要があります。
物件の条件によっては、更地にすれば買い手が見つかりやすくなることもあるでしょう。
しかし、そういったケースでは、空き家の解体費用を売値に上乗せすることになるので、売値とのバランスを考えて判断する必要があります。

また、買い手を探すほかに、不動産会社に直接買い取ってもらう方法もあります。
一般の買い手を見つけるよりは、早く処分できるかもしれませんが、売却額が安くなりがちというデメリットはあります。

空き家の築年数や劣化具合によっても売却のスピードや売値は変動するため、まずは複数の不動産会社に空き家の価格を査定してもらうのがよいかもしれません。


※本記事の記載内容は、2022年7月現在の法令・情報等に基づいています。