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部署や役職に社内公募制を導入するメリットとデメリット

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2022/01/17

部署や役職に社内公募制を導入するメリットとデメリット

損害保険ジャパンなどの保険会社を傘下に持つSOMPOホールディングス株式会社が、約60の課長職を立候補制で決めることが発表され、ニュースになりました。
SOMPOホールディングスでは、すでに20の部長職について立候補制を採用していましたが、2022年4月から課長職までに拡大されたことになります。
近年、立候補制や公募制を導入する企業が増えており、その有効性も、徐々に認知されつつあるようです。
今回は、部署や役職の公募制を導入するメリットとデメリットについて検証します。

公募制のメリットは想像以上に大きい

人事異動の時期は企業によって異なりますが、決算期を9月や3月に定めている企業が多いため、その翌月となる10月や4月付で異動を行うのが一般的です。
通常は人事担当者や上司が、対象となる従業員の人事評価をもとに異動する部署を決めていきます。
しかし、企業側が部署や役職を提示し、従業員が応募することで異動を行う『公募制』を採用する企業も増えてきました。

会社からの異動命令について、原則的に従業員は拒否することはできません。
使用者には、配置転換や異動に関する権限が認められており、異動を拒否した従業員を懲戒解雇に処すことも可能です。

一方、公募制はあくまで異動を望む従業員自身のエントリーによるものです。

公募制のメリットは、従業員自らが応募して会社側が提示したポストに就くため、モチベーションの向上につながるということです。
会社側の命令ではなく、自分の意思で選んだ仕事であれば、多くの人がやりがいを感じることができます。
意欲的に仕事に取り組んでもらうことで、生産性の向上なども期待できるでしょう。

また、公募制は従業員の定着率にも影響します。
従業員が現在の業務に不満がある場合、通常は異動を待ったり、転職したりするしかありません。
公募制であれば、転職しなくても募集にエントリーすることで希望の仕事に就ける可能性が高まるため、優秀な人材の流出を防ぐこともできます。
ひいては従業員のキャリアを広げ、スキルアップの意欲も高まります。

そして、公募制は、採用コストの削減にも役立ちます。
必要な役職や業務に対して社外に人材を求めるのではなく、社内の人間を異動させるだけなので、求人や新人研修などにかけるコストを大幅に減らすことができるのです。

さらに、部長職をはじめとした管理職側の意識改善にもつながります。
自分の部下が別の部署の公募にエントリーするということは、少なからず部下が何かしらの不満を抱えているということです。
ポジティブな理由でのエントリーならまだしも、上司と反りが合わない、仕事にやりがいを感じられないなどの理由であれば、管理職側の配慮が足りないとみなされる可能性もあります。
上司は、部下の扱い方や、仕事の任せ方について、振り返るきかっけになるでしょう。


人事バランスや人間関係への配慮が重要

このようにメリットの多い公募制ですが、デメリットも存在します。

従業員が希望する役職や仕事を得たからといって、必ずしも人事が最適化するとは限りません
人事は全体のバランスを考えて行わなければならないため、希望を出した従業員をその仕事に就かせるかどうかを決める際も、会社全体を俯瞰的な視点で見て、適材適所で人員配置できるような判断をする必要があります。

また、部下が別の部署に転属を希望することによって、現在の上司との人間関係が悪化する可能性もあります
結果的に、もとの部署で働き続ける可能性もある以上、エントリー情報の取り扱いには細心の注意を払いながら進めることが大切です。
たとえば、公募で異動が決まった際に、本人ではなく人事担当者が上司に伝えるなど、上司と部下の関係性に配慮したやり方を考えていくようにします。

公募制は、本人の希望による異動という、まだまだ新しいシステムといえます。
導入の際には、どのような問題が起きるのかを想定し、またその対応策も考えながら、時間に余裕を持った計画で進めていきましょう。


※本記事の記載内容は、2021年12月現在の法令・情報等に基づいています。