こんにちは 税理士法人タクト職員の杉山一生です。
私事ですが先日ちいかわというアニメ映画を見てきました。
ちいかわの世界でも労働があり、草むしり検定のような資格を勉強しながら日々業務に励んでいるようです。これは税理士事務所の職員と少し似ているなと思いました。私達税理士事務所の職員も、日々の業務に励み、仕事が終わった後や休日に簿記や税法などを勉強しています。
つまり、「働きながら勉強する」という点では、ちいかわも税理士事務所の職員も同じなのではないでしょうか・・・
【中小企業投資促進税制について】
「機械が突然壊れてしまった……」
中小企業では、長年使用していた機械や設備が突然故障し、急きょ買い替えが必要になることがあります。
- 「修理するよりも新しい機械を購入した方がよい」
- 「仕事を止めるわけにはいかないので、すぐに買い替えなければならない」
このように、設備投資は必ずしも計画的に行われるとは限りません。
そこで今回は、こうした設備の買い替えを行った場合にも関係する「中小企業投資促進税制」について解説します。
中小企業投資促進税制とは?
中小企業投資促進税制とは、中小企業者等が一定の設備を取得・製作し、指定された事業のために使用した場合に、税制上の優遇を受けることができる制度です。
一定の要件を満たすと
- 取得価額の30%の特別償却
- 取得価額の7%の税額控除(資本金3,000万円以下法人のみ)
のいずれかを選択して適用することができます。
例えば、対象となる機械を1,000万円で取得した場合、30%の特別償却を選択すると、取得価額のうち300万円について特別償却を行うことができます。
一方、税額控除を選択した場合には、一定の要件のもとで、取得価額の7%に相当する70万円を法人税額から控除することができます。
どのような会社が対象?
中小企業投資促進税制の対象となるのは、原則として資本金1億円以下の法人など、一定の要件を満たす中小企業者等です。
ただし、資本金の額だけで判断することはできません。
大規模法人との資本関係などによって対象外となる場合もあるため、自社が制度の対象となるかどうかについては、確認が必要です。
どんな設備が対象になる?
中小企業投資促進税制では、どのような設備でも対象になるわけではありません。
主な対象設備として、次のようなものがあります。
| 対象設備 | 主な要件 |
|---|---|
| 機械・装置 | 1台・1基160万円以上 |
| 測定工具・検査工具 | 1台120万円以上、1台40万円以上かつ複数合計120万円以上 |
| ソフトウェア | 1つのソフトウェアが70万円以上、複数合計70万円以上 |
| 貨物自動車 | 車両総重量3.5トン以上 |
| 内航船舶 | 内航海運業の用に供される船舶 |
また、設備の種類や取得価額だけでなく、その設備をどのような事業に使用するのかについても要件があります。
そのため、「機械を購入したから必ず制度が利用できる」というわけではありません。
「突然の故障による買い替え」でも利用できる?
ここが今回のポイントです。
似たような制度で『中小企業経営強化税制』がありますが、機械等の購入前に経営力向上計画の認定を受けることが必須です。一方、中小企業投資促進税制は、一定の要件を満たせば事前認定を受けずに特例の適用を検討できるため、急な設備の故障などにより予定外の設備投資が必要となった場合でも、活用できる可能性があります。
特別償却と税額控除、どちらを選ぶ?
中小企業投資促進税制を利用する場合、特別償却と税額控除のどちらを選択するかも重要なポイントです。
特別償却は通常よりも早く減価償却を行うことで、設備を取得した初年度の所得を抑えることができ、課税の繰り延べができる制度です。
一方、税額控除は、計算された法人税額から一定額を直接差し引く仕組みです。
税額控除は、算出された法人税額から直接一定額を控除するため、税負担を直接軽減できるという特徴があります。
ただし、どちらが有利になるかは、会社の利益状況や今後の業績見込みなどによって異なります。また、税額控除には、事業年度の調整前法人税額の20%相当額という控除限度額が設けられています。
適用要件の確認と法人税の申告
中小企業投資促進税制は、設備を購入しただけで自動的に適用されるものではありません。
実際に税制上の優遇を受けるためには、法人税の確定申告において、必要な申告書や明細書を作成・添付する必要があります。
例えば、税額控除を適用する場合には、法人税申告書の「別表六(15) 中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」を使用します。
また、適用にあたっては、
- その会社が制度の対象となる中小企業者等に該当するか
- 購入した設備が対象設備に該当するか
- 取得価額が要件を満たしているか
- どのような事業に使用する設備なのか
- 設備を取得した時期が要件を満たしているか
- 特別償却と税額控除のどちらを選択するか
など、さまざまな事項を確認する必要があります。
さらに、税制は毎年の改正によって内容が変更される可能性があります。
このように、中小企業投資促進税制は、単に「機械を購入した」という事実だけで判断できるものではなく、設備の内容や会社の状況、取得時期などを踏まえて総合的に判断する必要があります。
そのため顧問税理士などの専門家に相談することが重要です。
税理士法人タクトでは法人税や消費税の適正な申告をサポートするだけでなく、法令の範囲内で、活用できる税制上の特例の適用や節税対策についても相談を承っております。
ぜひご連絡ください。
