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所得税・住民税の定額減税について(税理士法人タクト 監査担当者・鈴木美耶)

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コラム

2024/04/08

所得税・住民税の定額減税について(税理士法人タクト 監査担当者・鈴木美耶)


 みなさん、こんにちは。税理士法人タクトの職員、鈴木です。

 春になり、花々が咲きはじめ街並みが華やかになってきました。私たちの地元浜松では、3月から6月まで浜名湖花博2024が開催されます。浜名湖花博は2004年と2014年にも開催されており、今回はデジタルやテクノロジーがキーワードとなっているようです。開花情報や開園情報は浜名湖花博のHPで確認できますので訪れてみてはいかがでしょうか。私も期間中のどこかで訪れてみたいと思います。(花粉症なので対策をきちんとしなければなりませんが・・・)

  さて今回のコラムでは、令和6年6月1日以後に実施される定額減税の概要についてご説明します。定額減税とは、所得税・住民税あわせて1人当たり最大4万円の特別減税を行うことを指します。

  所得税・住民税それぞれの要件は以下の通りとなります。

  所得税 住民税
期間 令和6年6月1日以後~令和6年分年末調整まで 令和6年分予定納税額~令和6年分確定申告まで
対象者 ①令和6年分所得税の納税義務者かつ国内居住者 ①令和6年分住民税の所得割の納税義務者
②令和6年の合計所得金額が1,805万円以下(給与所得のみの場合は給与収入2,000万円以下) ②令和5年の合計所得金額が1,805万円以下(給与所得のみの場合は給与収入2,000万円以下)
減税額 本人:3万円 本人:1万円
同一生計配偶者:3万円 同一生計配偶者:1万円
扶養家族:1人につき3万円 扶養家族:1人につき1万円
減税方法 給与所得者 :令和6年6月1日以後最初の給与または賞与の源泉徴収税額より順次控除 特別徴収:令和6年6月分の納税額は0円、令和6年7月分より減税額を差し引いた額を特別徴収
事業所得者等:令和6年分の所得税の予定納税または確定申告で控除 普通徴収:令和6年度分第1期分納税額より控除控除しきれない場合は第2期分以降


 住民税については5月頃に市区町村から届く住民税の納税通知書に控除金額がすでに反映されているため、別途計算の必要はありません。
そのため今回は住民税の定額減税についての詳細な説明は割愛いたします。また令和5年分の内容をもとに計算がされているため、令和6年分のふるさと納税の限度額にも影響はありません。


  では、所得税の定額減税について解説します。


 ◎期間・減税方法

 給与所得者、いわゆる会社勤めの方については令和6年6月1日以後支払われる給与または賞与から令和6年分の年末調整までのうち減税額を控除しきるまで適用されます。

 個人事業主の方については予定納税額がある場合は、本人分の3万円を第1期分の予定納税額から控除し、控除しきれなかった場合は第2期分の予定納税額から控除、それでも控除しきれない場合は確定申告で精算します。同一生計配偶者等の控除については原則確定申告で精算となりますが、「予定納税の減額申請」を行えば第1期分予定納税額から控除も可能です。

 

◎対象者

 令和6年分所得税の納税義務者となる居住者で、合計所得金額が1,805万円以下(給与所得のみの場合は給与収入2,000万円以下)の方が対象となります。

 ただし、給与収入が2,000万円を超える場合でも給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者については、対象者と同様に毎月の給与および賞与の源泉徴収税額より定額減税上限額まで控除を行い、確定申告で控除対象外として精算します。

 

◎減税額

 本人の定額減税額は3万円、令和6年6月1日時点での同一生計配偶者及び扶養親族(いずれも居住者に限る)は1人につき3万円の合計額が控除額となります。同一生計配偶者とは、生計を一にしている配偶者のうち、合計所得金額48万円以下である者のことを指します。また、ここで対象となる扶養親族とは所得税法上の控除対象扶養親族だけでなく、16歳未満の扶養親族も含みます。例えば、令和6年6月1日時点で同一生計配偶者の妻と子どもが2人の合計3人扶養がいる場合、本人を含めて控除額は12万円(3万円×4名)となります。

 なお、生計を一にする親族が、令和6年中に青色事業専従者として給与の支払を一度でも受けているまたは事業専従者である場合は、同一生計配偶者及び扶養親族として認められませんのでご注意ください。

 以上、定額減税の概要について説明しました。

  この定額減税において、納税者本人と扶養親族の数から算定される定額減税可能額が令和6年に納めるべき所得税額・個人住民税所得割額を上回り定額減税しきれないと見込まれる場合、個人住民税を課税する市区町村が定額減税しきれない差額を給付することになります。準備が整い次第、市区町村より対象者へ案内が届くかと思われますが、詳細はお住まいの市区町村のHPをご確認ください。

 

 また、実際に従業員の処理をする場合は、毎月の給与や賞与から減税をする「月次減税事務」と年末調整で精算をする「年調減税事務」の二つの事務手続きが必要です。この時、令和6年6月1日前後で入退社がある場合や年末調整までの期間で扶養人数が変更となった場合の処理などイレギュラーな事務処理が発生するケースも考えられます。

 今回は概要についての説明のみでしたので、上記処理方法などの詳細は国税庁の定額減税特設サイトをご確認ください。

 

 国税庁 定額減税 特設サイト

https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm

 

  また、社会保険労務士へ給与計算を依頼している場合、給与計算システムが定額減税に対応しているような場合でも事前の確認をきちんと行わないと正しい税額が計算できませんので、定額減税開始前および年末調整処理前に今一度16歳未満の扶養親族を含む扶養親族の確認等をしていただくことをおすすめします。