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従業員の“制服管理”に落とし穴? トラブル防止のポイント

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2022/06/27

従業員の“制服管理”に落とし穴? トラブル防止のポイント

飲食店において、アルバイトやパート従業員などが、なんの断りもなしに急に来なくなってしまうケースは、残念ながら多々あることです。
そうした場合に困るのが、貸与品の返却問題です。
特に、飲食店では、制服の未返却やクリーニング代などが原因で、トラブルに発展することもあるようです。
貸与品の管理について、どのようなルールを設ければよいのかを考えていきます。

制服代徴収は原則NG! しかし、例外も

多くの飲食店では、従業員に制服や作業服を貸与しています。
これは、飲食店側が購入し、支給しているものですが、その費用は決して、安いものではありません。

まず、制服に関する経理の知識や、労働基準法における扱いについて、まとめてみましょう。
制服は業務中に着用するため、汚れたり破損したりすることもあります。
そのため、経理上は『消耗品費』になるかと思われがちですが、実は『福利厚生費』にあたります。
制服のクリーニング代や補修の費用は福利厚生費として計上されるため、従業員が費用を負担することは、基本的にありません
しかし、店によってはひと月当たり500円程度を天引きしているケースもあります。
では、どのような場合であれば徴収が認められるのでしょうか。

労働基準法第24条『賃金支払の原則』では、雇用者から労働者への賃金支払い方法について定めており、なかには使用料などを給与から勝手に天引きしてはならないという決まりがあります。
しかし、例外として以下に該当する場合にのみ天引きが許されています。

(1)所得税や社会保険料など、法令で定められているものの控除
(2)労働者の代表と『労使協定』を締結した場合

つまり、いずれかに該当すれば、制服の使用料やクリーニング代として給与天引きを行うことも可能なのです。
また、労働基準法第15条『労働者に負担させる食費、作業用品などに関する事項』に沿って、採用時に制服に関する条件をあらかじめ説明した場合にも、違反とはなりません。

一方で、従業員が天引きについて把握していなかったり、貸与品であるのに返却を怠ったりしたことで、トラブルが生じることはあります。
従業員に、制服など貸与品管理の重要性をしっかり認識してもらうことが大切です。


辞めた従業員が制服返却に応じない場合

従業員と突然連絡が取れなくなり、無断欠勤どころか、二度と現れなかった…というトラブルは、残念ながらよくあることです。
従業員が急に来なくなってしまったら、退職扱いにするほかありません。

こうした場合、制服を返却してもらうことはかなり難しいので、最終給与から制服代を天引きし、制服の回収を諦める経営者も少なくありません。

ちなみに従業員は、貸与品を“持ち逃げ”していることになるため、刑法253条『業務上横領罪』に問われ、10年以下の懲役に処されることもあります。
あまりにも悪質であれば、法的手段に訴えることも可能ですが、裁判沙汰になってはお互いにとってダメージが大きいので、まずは従業員に対して返却依頼を出しましょう

何らかの理由ですでに紛失しているのであれば、弁償を請求できる場合もあります。
相手に返却の意思がある場合は、期限や返却方法(手渡しや郵送など)を決めておくと安心です

また、貸与する制服のうち、1着目の購入は飲食店が負担、2着目以降の購入を従業員本人の意思で個人負担にした場合は、1着目の制服のみ返却を求めることができます
(とはいえ、制服は貸与・会社負担が基本なので、2着目を本人が購入しなければならなかった状況に、問題があると指摘される可能性はあります)。

貸与品は、自費で買ったものではないので、どうしても扱いが乱暴になりがちです。
そのため、制服や備品を従業員が乱暴に扱った結果、破れてしまったり消耗が早くなってしまったりすることもあります。
従業員に、制服や備品を大切に扱ってもらうためにも、雇用時に制服や備品の重要性についてしっかり話しておくことが大切です。


※本記事の記載内容は、2022年5月現在の法令・情報等に基づいています。