アドトラックとは、トラックの荷台に広告を設置して走行する広告宣伝車の一種です。
繁華街などで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
アドトラックでは、音が鳴ったり光ったりする乗り物が近くを通過するわけですから、通行人の目を引くには十分な効果があります。
商品の訴求はもちろん、店舗の新装オープンやイベントの宣伝、映画やライブ、新譜リリースのPRなどにも使うことができ、注目効果があるため、SNSでの拡散も期待できます。
ただし、アドトラックの走行に関しては地域によって規制や条例が設けられているので注意が必要です。
今回は、アドトラックの効果や利用方法について説明します。
アドトラックはコストパフォーマンスが高い?
荷台の左右と後部に貼られた広告と音楽で通行人にアピールするアドトラックは、街を歩く人の視覚と聴覚に訴えかける広告手法です。
近年はさまざまな業種において、アドトラックを利用した広告が展開されています。
アドトラックは、テレビ広告や新聞広告などに比べると比較的、利用できる業種の幅が広く、ナイトワークやギャンブル、高収入系の求人などの宣伝も許されています。
費用に関しては、ドライバーの人件費やデザイン費、ガソリン代の有無によっても異なります。
また、LEDビジョンを搭載したビジョンタイプや、装飾を施したステージタイプなどはさらに費用が高くなります。
また、アドトラックは1日単位、時間単位、エリア単位で走らせることも可能です。
たとえばナイトワークの宣伝であれば、昼間のオフィス街よりも夜の繁華街にアドトラックを走らせるほうが効果的です。
業種に合わせて走行場所をフレキシブルに変えられるのも、アドトラックの強みといえるでしょう。
さらに、全国巡回や地方都市圏への出張など、規模を選んでプロモーションが行えるのもアドトラックの大きなメリットです。
全国公開の映画を宣伝するときなどに、日本全国をアドトラックで巡回するプロモーションを行うことも可能です。
利用するうえで必要な規制や条例
小規模な宣伝から大規模なプロモーションまで、幅広く展開できるアドトラックですが、掲載する内容に関しては、地域によって定められている規制や条例に準じることになります。
また、広告の内容については、各自治体で屋外広告物条例が定められており、車両の登録地ごとに許可を取る必要があります。
たとえば、東京都では公益社団法人の東京屋外広告協会によって、広告のデザイン審査を受ける必要があり、交通安全に配慮していなかったり、公共空間に相応しくなかったりなど、基準に沿わないデザインに対しては許可が下りないこともあります。
また、都道府県別に『拡声器暴走音規制条例』が定められており、ほとんどの都道府県では、音を出す場合、スピーカーなど音が発生する装置から10m以上離れた地点において測定した音量が、85デシベルを超えてはならないとされています。
目安として例をあげると、走行中の電車内や救急車のサイレンは80デシベルです。
さらに、アドトラックは一般的な荷物を運搬するトラックとは異なり宣伝目的で道路を走行するため、管轄の警察署に道路通行許可申請を出す必要があります。
これらの規制や条例を守ったうえで、通行人から苦情が出ないような配慮が必要になるでしょう。
もちろん、交通ルールを守り、安全運転をすることは大前提です。
規制や条例への対応は、原則としてアドトラックの業者が行うことになります。
アドトラックの業者に依頼する際は、これらの各種ルールをしっかりと遵守しているかどうかについて、目配りしておいた方がよいかもしれません。
近年は通行人がSNSにアドトラックの写真を投稿し、拡散されることも増えてきました。
アイディアがよければメディアにも取り上げられやすく、想定していた以上の宣伝効果が得られることもあります。
規制や条例に反することがないように考えながら、利用方法について検討してみましょう。
※本記事の記載内容は、2022年3月現在の法令・情報等に基づいています。