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介護事業者における『BCP(業務継続計画)』の策定が義務化!

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2022/03/10

介護事業者における『BCP(業務継続計画)』の策定が義務化!

2021年度の介護報酬改定により4月から、介護サービス事業者に『BCP(業務継続計画)』の策定と、それに基づいた研修等の実施が義務づけられました。
ただし、経過措置が設けられており、2021年度から3年間は努力義務で、2024年度から正式に義務化されることになっています。
このBCPの義務化により、介護事業所の感染症や災害への対応力強化と、利用者にとって安心できる継続的なサービスへの提供につながることが期待されています。
今回は、義務化したBCPの策定について説明します。

緊急時でも事業を継続させるために

2020年から起きた新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染拡大により、介護事業所では、感染症への対策や一段と深刻になった人手不足への対応を余儀なくされました。

介護事業所は、利用者の日常生活、健康管理、生命の維持にかかわるサービスを提供しています。
そのため、新型コロナの蔓延だけでなく、地震・洪水などによる自然災害、そのほかにもテロや重大事件の発生等による不測の事態が生じても、『事業を中断させない』または『一時的に中断しても出来るだけ迅速に復旧させる』ことが最重要事項といえるでしょう。

そのため、2021年度の介護報酬改定で、『BCP(業務継続計画)』の策定、研修・訓練の実施が義務付けられました(経過措置として3年間は努力義務)。
事前に介護事業所の方針や緊急時の体制、対応手順等のBCPを策定し、研修や教育訓練を通じて内容を事業所内で共有することで、介護サービス事業者の緊急時対応力を向上させることを目的としています。

では、BCPの策定にあたり介護サービス事業者がどのように進めて行くべきかについて要点を絞って見ていきましょう。

まず、BCPとは、『Business Continuity Plan』の略称で、『業務継続計画』という意味があります。
厚生労働省老健局が作成したガイドラインによると、介護サービス事業者に求められる役割は主に3つのポイントに分けて考えられています。

(1)サービスの継続
新型コロナ感染拡大時や自然災害発生時にも極力業務を継続できるよう努めるとともに、万一、業務の縮小や事業所の閉鎖を余儀なくされる場合でも、利用者への影響を極力抑えるよう事前の検討を進めること。
(2)利用者の安全確保
介護サービス利用者は、65歳以上の高齢者及び40歳以上の特定疾病のある方であるため、ウイルス感染による重症化リスクや災害時の被災リスクを回避するため、あらかじめ安全確保に向けた防止策を検討し、確実に実行できるよう準備すること。
(3)職員の安全確保
感染拡大時や自然災害時に業務継続を図ることは、職員の被災リスクを高めるほか、長時間勤務や精神的打撃など職員の労働環境が過酷になることが懸念されるため、職員の被災防止対策とあわせて、職員の過重労働やメンタルヘルス対応への適切な措置を講じること。


業務継続計画書作成のポイント

これらのポイントを踏まえたうえで、業務継続計画書を策定することになります。
具体的な計画書の内容にあたっては、『感染症拡大時』と『自然災害発生時』に分けたうえで次のポイントに沿って検討することで、整理しやすくなります。

【感染症拡大時】
(1)施設・事業所内を含めた関係者との情報共有と役割分担、判断ができる体制の構築
感染(疑い)者発生時に迅速に対応するため、平時と緊急時の情報収集・共有体制や、情報伝達フロー等の構築。
全体の意思決定者を決めておくこと、各業務の担当者を決めておくこと、関係者の連絡先、連絡フローを整理しておくこと。
(2)感染(疑い)者が発生した場合の対応
感染(疑い)者が発生した場合でも、入所者・利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供できるよう、感染(疑い) 者発生時の対応について整理し、平時からシミュレーションを行うこと。
(3)職員確保
適切なケアの提供だけではなく、感染対策の観点からも職員の確保は重要となるため、施設・事業所内・法人内における職員確保体制の検討、関係団体や都道府県等への早めの応援依頼を行うこと。
(4)業務の優先順位の整理
限られた職員でサービス提供を継続する必要が出てくることも想定されるため、可能な限り通常通りのサービス提供を行うことを念頭に、職員の出勤状況に応じて対応できるよう、業務の優先順位を整理しておくこと。
(5)計画を実行できるよう普段からの周知・研修、訓練
危機発生時においても迅速に行動が出来るよう、関係者に周知し、 平時から研修、訓練(シミュレーション)を行うこと。また、定期的に見直すこと。

【自然災害発生時】
(1)正確な情報集約と判断ができる体制を構築
災害発生時に迅速に対応するため、平時と緊急時の情報収集・共有体制や、情報伝達フロー等を構築。
全体の意思決定者を決めておくこと、各業務の担当者を決めておくこと。
(2)『事前の対策』と『被災時の対策』に分けて、同時にその対策を準備
(3)業務の優先順位の整理
可能な限り通常通りのサービス提供を行うことを念頭に、職員の出勤状況、被災状況に応じて対応できるよう、 業務の優先順位を整理しておくこと。
(4)計画を実行できるよう普段からの周知・研修、訓練
危機発生時においても迅速に行動が出来るよう、関係者に周知し、平時から研修、訓練(シミュレーション)を行うこと。また、定期的に見直すこと。

BCPを策定しただけでは、緊急時にスムーズな対応ができない可能性があります。
まずは、スタッフに計画内容を周知し、定期的な研修や緊急時を想定した訓練の実施により対応力を強化させることが重要です。
自然災害や感染症拡大はいつ発生するかわかりません。
BCPの実効性を高めるためにも定期的な見直しを行っていきましょう。


※本記事の記載内容は、2022年2月現在の法令・情報等に基づいています。