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未来の診療の形? 医療現場におけるAI診療の可能性

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2021/11/29

未来の診療の形? 医療現場におけるAI診療の可能性

現在、医療業界では、AI(人工知能)を活用した『AI診療』への注目が高まり、さらなる研究や開発が進められています。
特に、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、Web問診が急速に普及し、そこから一歩進んだAI問診を行う医療機関も増えてきました。
AI診療が私たちの生活に浸透する兆しともいえます。
AI診療は、言語の理解や問題解決などを人間の代わりにAIが行なうことにより、属人的にならない正確な結果を得られると、大きな期待が寄せられています。
今回は、医療の未来を担うかもしれない、AI診療の可能性について説明します。

開発が進められている医療分野のAI活用技術

厚生労働省では、社会の高齢化による医療費の増加や医師不足などの諸問題を解決するため、医療の現場に対し、社会に変革をもたらすイノベーションを積極的に促進し、取り入れるべきだとしています。
その一つとして、医療分野でのAIの活用を提言しています。

2017年に厚生労働省で行なわれた『保健医療分野におけるAI活用推進懇談会』では、医療分野におけるAI活用の意義や、AI開発を進めるべき重要領域などが話し合われ、AI開発における課題や今後の取り組みなどについて検討されました。

懇談会の報告書では、医療分野でのAI活用により国民が得るメリットとして、保健医療の質の向上をメリットにあげています。

報告書によると、AIの活用が進めば、医療資源が乏しい離島でも専門医と同等の診断や治療を受けられるようになるなど、医療の地域格差をなくすことも不可能ではありません。
また、AIを応用した高度な予測によって、従来では発症するまで見つけることのできなかった疾患も、発症前に診断や治療が行えるかもしれないとしています。

特にゲノム医療におけるAI活用への期待は大きく、2021年3月には、富士通株式会社と京都大学が、AIを活用し、ゲノム医療を支援するAI検証システムを共同開発したことがニュースになりました。

ゲノム医療とは、患者のDNAに含まれる遺伝子情報から、変異を明らかにすることで薬の有効性などを予測し、患者一人ひとりの体質や病状に合わせて治療などを行う医療です。
富士通と京都大学が開発した検証システムは、患者の遺伝子情報を入力することで、遺伝子変異の病原性の有無を判定するほか、その根拠を説明可能AIで示したり、関連する論文の検索を支援したりする等の診療支援を行えるとしています。

また、富士フィルム株式会社と国立がん研究センターは、医師がAI技術を開発できる研究基盤システム『AI開発支援プラットフォーム』を共同開発。
プログラミングなどの高度な工学的知識がなくても、医師や研究者による画像診断支援AI技術の研究開発が行えるようになりました。


AIの導入により変わっていく医療現場

医療分野におけるAI活用は、医師が行ってきた診療の在り方を変える可能性を秘めています。

先進医療には欠かせない新たな知見を手に入れるためには、最新の論文に目を通す必要がありますが、日々の業務に追われる医師にとっては、増え続けている論文を把握することは難しいでしょう。

前述した懇談会の報告書によれば、AIの活用によって、論文に書かれた最新の情報の解析や検索などにかかる時間やコストを削減し、医師の負担を大幅に軽減することができるとしています。

また、これまで患者の診療は、一定の水準が担保されているものの、医師個人の経験や知識に依存するところが大きいというのが課題でした。
診療では、患者への問診や表情などを判断材料としますが、医師によって受け取り方が異なる場合もあり、同じ患者でも診断にバラつきが出るということも起こり得ます。

しかし、AIが医師の知識や技術をサポートするようになると、診断が偏る可能性を減らせることが期待されています。
診断の属人化を回避し、また地域格差がなくなることで、日本全国どこでも、どの医療機関にかかっても、患者は適切な診療や治療を受けることができるようになるかもしれません。

診療におけるAIの活用には、医師も大きな期待を寄せており、内科系の学会が加盟する一般社団法人・内科系学会社会保険連合が2019年に行ったアンケート調査『診療現場におけるAI診療導入への期待と懸念』では、「AI診療に期待しているか?」という質問に、79%が「期待している」と答えています。
一方で、すでに数々のAI診療に関するソフトウェアがリリースされているなかで、実際に使用されているのは2%、使用予定の医師を含めても18%にとどまるというのが現状です。

今後も発展や向上が注目されるAIは、今まさに過渡期にあるといえる先進技術です。
医療に携わる人においては、常に情報をアップデートし、その進化を注視していくことが大切です。


※本記事の記載内容は、2021年10月現在の法令・情報等に基づいています。