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従業員が退職した際に行う雇用保険関係の手続きとは

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2021/10/19

従業員が退職した際に行う雇用保険関係の手続きとは

従業員が離職する場合、会社は雇用保険や社会保険などの各種手続きを行うことになります。
特に、雇用保険に関する手続きは、失業保険の支払いなど労働者の生活に直結する事柄であるため、できる限り迅速に対応する必要があります。
また、離職票の発行を怠るなどした場合には、雇用保険法違反となる可能性もあるため、事業者は十分留意しなければなりません。
今回は、事業者が知っておきたい雇用保険の退職手続きについて説明します。

ハローワークに提出する書類

従業員が退職したら、『雇用保険被保険者資格喪失届』(以下、資格喪失届)と『雇用保険被保険者離職証明書』(以下、離職証明書)をハローワークに提出することになります。

資格喪失届は、対象者を雇用したときに管轄のハローワークに『雇用保険被保険者資格取得届』を提出しているので、その資格を取り消すための届出です。
離職日の翌々日から10日以内にハローワークに提出する必要があります。

離職証明書は、従業員が離職したことを示す証明書で、失業保険の給付額などの決定に使われます
これは、資格喪失届とあわせて提出するものですが、離職者が失業手当の受給申請に必要となる『離職票』の交付を希望しない場合や、従業員が死亡した場合には提出しなくてもよいことになっています(ただし、離職日に59歳以上となる人は本人の希望がなくても交付が必要)。

ちなみに、離職証明書には、離職者の離職理由を記載する欄があり、従業員に、内容を確認したうえで記名押印あるいは自筆による署名をしてもらう必要があります。
何らかの事情により従業員の記名押印や署名が得られなかった場合には、理由を記入したうえで、事業主が記名押印あるいは署名をします。

離職証明書で重要なのは、離職理由です。
離職理由によって失業給付が受給できる時期と受給できる金額が異なるからです。
よくある例として、会社は自己都合で退職したと思っていたが、従業員は会社から解雇されて退職になったと、離職理由が食い違うときがあります。
もし、事業者と離職者で離職理由が食い違う場合は、管轄するハローワークが事実関係を調査したうえで、離職理由が判定されます。

以上の書類を期限内に提出できるよう、従業員の退職が決まったら早めに準備しておきましょう。
書類の取得方法としては、資格喪失届はハローワークのHPから取得することができますが、離職証明書は3枚綴りの複写式のため、ハローワークに取りに行くことになります。


離職票が発行されたら離職者に送付する

資格喪失届と離職証明書を提出すると、ハローワークから離職票が発行されるので、それを離職者に送付します。

離職票は、離職者が失業手当の受給申請をするために必要な書類です。
送付が滞ると、それだけ離職者が困ることになるので、速やかに送付するようにしましょう。
離職後10日~14日くらいで離職者の自宅に届くように手配するのが一般的といわれています。
それを踏まえ、資格喪失届などは期限より早めに提出するほうが望ましいでしょう。

離職票の送付が遅れてしまうケースとしては、単純に事務処理が追いつかない場合や、離職理由に会社と離職者で食い違いがある場合など、離職証明書の作成が滞り、結果的に離職票の送付が遅れてしまうことが考えられます。
また、あってはならないことですが、労使トラブルから感情的になってしまい、わざと離職票を送らないというケースもあるようです。

いかなる理由があるにせよ、離職票を送付しないと雇用保険法違反となり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、資格喪失届の提出を怠った場合にも同様の罰則が科せられることがあるので、注意しましょう。


原則、退職の申し出を会社側は拒否できない

退職に関しては、会社側がいくら残留を望んだとしても、労働者の意思が優先されます。
従業員から退職の申し出を受けた場合、原則として、会社側はこれを拒否することができません

民法では、期間の定めのない雇用契約において、従業員はいつでも解約の申し入れをすることができるとしています。
退職を申し入れてから2週間が経過すれば、使用者の承諾がなくても会社を辞めることができます。

また、労働基準法では、期間の定めのある雇用契約であっても、契約期間の初日から1年が経過していれば、従業員は特別な事由がなくても退職できると定めています。

もし、従業員から離職の申し出を受けたら、離職手続きをスムーズに行えるよう、早めに資格喪失届と離職証明書の準備を進めることが大切です。
離職証明書に関しては、離職者が離職票を希望しない場合は不要ですが、退職した従業員全員に発行している会社もあります。
余裕があれば、そのようにしてもよいでしょう。


※本記事の記載内容は、2021年9月現在の法令・情報等に基づいています。