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会社の社員寮や独身寮が『寄宿舎』と判断される条件

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2021/09/10

会社の社員寮や独身寮が『寄宿舎』と判断される条件

従業員の福利厚生の一つとして、社員寮や独身寮を完備している企業があります。
この社員寮や独身寮が、もし労働基準法第十章で定められている『寄宿舎』に該当する場合は、寄宿舎規則を作成したうえで、行政官庁に届け出る必要があります。
では、どのような場合に寄宿舎に該当するのでしょうか。
今回は、寄宿舎に該当する条件や、寄宿舎を設置するための手続きなどを紹介します。

条件は複数の労働者が寝食を共にすること

寄宿舎とは、一般的には、学校、事務所、病院、工場等の事業者が設置する居住施設で、主に学生、職員、従業者等を対象として、複数の寝室と食堂、浴室などの共同施設が設けられたもののことをいいます。
労働基準法では、事業用寄宿舎に該当する条件を『複数の労働者が共同空間において寝食を共にすること』『事業に附属すること』と定めています。

これを踏まえると、たとえ炊事場や浴室が共同の社員寮や独身寮であっても、労働者のプライベートな空間が確保されている場合は寄宿舎に該当しませんし、逆に事業に付随し、複数の労働者が共同空間において寝食を共にしている場合は、社員寮や独身寮と呼称していても、寄宿舎として扱うことになります。


寄宿舎に労働者を寄宿させるには届出が必要

寄宿舎に該当するケースで多いのは、建設現場などにおいて一定期間泊まり込みで作業を行ってもらうための住居です。
建設現場に建てられた、プレハブ工法の仮設住居を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

このような事業附属寄宿舎の設置に関しては、常時10人以上の労働者を就業させる事業や厚生労働省令で定める危険な事業・衛生上有害な事業に該当する場合は、工事着手の14日以上前に計画書を労働基準監督署に届け出なければならないというルールがあります。
計画を変更する場合や、寄宿舎の移転をする場合にも、同じように届出をします。

また、労働者を寄宿舎に寄宿させる場合は、寄宿舎を設置したら、設置届と寄宿舎規則を労働基準監督署に届け出なければなりません。
規則を変更する場合も、同様に届出が必要となります。

この寄宿舎規則は、起床や就寝、外出や外泊に関することや、食事に関すること、安全衛生に関することなど、定められた事項について盛り込まなければなりません
また、寄宿舎規則の作成や変更をする際は、寄宿舎を利用する労働者の過半数を代表する者の同意を得る必要があり、届出の際に同意を証明する書面を添付することになります。
また、規則を全員に周知する義務もあります。

一方で、たとえ複数の労働者が共同空間において寝食を共にする施設であったとしても、事業に付属していること、という要件を満たしていなければ、寄宿舎には該当しません。

以上のことからも、一般的な福利厚生施設としての社員寮や独身寮は、そのほとんどが寄宿舎には当てはまりません。
ただし、裁判などでは実態に即した判断がされるため、過去には社員寮と呼称していた施設が寄宿舎と判断されたケースもあります。
寄宿舎に該当するかどうかについては、その施設の目的や実態に即して判断する必要があるでしょう。


寄宿舎に該当しなくても管理は求められる

社員寮や独身寮などの寄宿舎に該当しないケースであっても、従業員の生活の安全のためには生活全般にまつわる規定を作る必要がありますし、寄宿舎に準じた管理が法律上の義務として求められます。
また、寄宿舎同様に規定は全社員に周知する必要があります。

騒音問題や設備の故障など、社員寮におけるトラブルは意外と多く、規定をきちんと作っていなかったせいで問題がこじれてしまったケースも少なくありません。
最終的には会社への不信感が募り、離職につながってしまう可能性もあるので、導入する際には注意が必要です。

寄宿舎のメリットは職場の近くにあることで通勤時間のロスを軽減できたり、寝食をともにすることで同じ業務を行う仲間同士の親睦を深められたりすることです。
社員寮や独身寮がある企業は、寄宿舎として届け出が必要なものかどうかを確認し、寄宿舎がある企業は、従業員が快適な生活をすることで業務を遂行できるよう適切な運営を行っていきましょう。


※本記事の記載内容は、2021年8月現在の法令・情報等に基づいています。