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暗号資産等の所得税の取り扱いについて(税理士法人タクト職員 久保田孝保)

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コラム

2026/06/30

暗号資産等の所得税の取り扱いについて(税理士法人タクト職員 久保田孝保)

こんにちは、税理士法人タクト 職員の久保田孝保です。

今回は、個人が暗号資産を売買した場合の所得税についてコラム記事を執筆いたします。

1.暗号資産の取引の概要

暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上でやり取りされる電子的なデータのことで、日本円や米ドルのような法的根拠を持つ法定通貨とは異なります。代表的なものとしてはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などが知られており、これらは「ブロックチェーン」と呼ばれる分散型台帳技術によって暗号化され、安全に管理されています。

暗号資産交換業者は2026年4月時点で32社あるそうで、取引は現物の通貨があるわけでなく、すべてクラウド上で行われています。24時間365日いつでも世界中と取引ができる利便性や市場の成長性から多くの投資家が参入していますが、価格の変動が非常に激しいという側面も持っています。

2.個人が暗号資産を売買した場合の所得税確定申告

個人の方が暗号資産の売買などによって得た利益(所得)は、原則として「雑所得」に分類されます。この雑所得は、給与所得や事業所得、不動産所得といった他の所得と合算した上で所得税を計算する「総合課税」の対象となります。

総合課税では、合算した所得金額が高くなるにつれて税率が段階的に高くなる「超過累進税率(5%〜45%)」が適用されます。そのため、本業の給与所得が高い方や、暗号資産で一度に多額の利益を上げた方は、翌年の税負担が非常に重くなる可能性があるため注意が必要です。一般の会社員などの給与所得者の場合、暗号資産による利益を含めた給与所得・退職所得以外の所得の合計額が年間20万円を超えると、所得税の確定申告を行う義務が生じます。

【計算例】
30万円で暗号資産を購入。その後50万円で売却の場合
50万円 − 30万円 = 20万円の利益 この20万円が課税対象となります。

3.暗号資産の税金が発生するタイミング

暗号資産を売却した時

売却差益(売却価額−取得価額)が課税対象になります。

例 暗号資産を日本円に交換し利益が発生した場合→課税対象。

暗号資産で商品を購入した時

決済時点での利益が課税対象になります。

例 10万円で買った暗号資産の価値が20万円になった時点で20万円の商品を購入した。
20万円−10万円=10万円の利益→課税対象

暗号資産同士を交換した時

差益(交換した暗号資産の価額−取得時の暗号資産の価額)が課税対象になります。

例 手持の暗号資産→他の暗号資産
日本円を経由しなくても、利益計算必要になる場合があります。

4.損をした場合は

暗号資産の損失は原則として、公的年金等他の雑所得との損益通算はできますが、給与所得、不動産所得他の所得と相殺できません。また、FX取引のような申告分離課税の雑所得との損益通算もできません。

さらに翌年以降への繰越控除も認められていません。

今回は暗号資産等に関する所得税の取り扱いをご紹介しました。

なお国税庁ホームページ「暗号資産等に関する税務上の取り扱いについて暗号資産等の所得税の取り扱いについて」F&Q)令和7年12月最終改定にて、2 所得税関係暗号資産取引の所得区分、必要経費、譲渡原価、評価方法の算出方法、取得価額や売却価額がわからない場合他が詳しく解説されておりますので、是非そちらをご確認して頂ければより理解が深まりますのでご参照ください。

暗号資産の課税方式の見直し改正法案が2026年通常国会で提出される予定ですので、
改正法案が成立されましたらまた後日コラム記事を執筆させて頂きます。

所得税申告において、お困りごとがございましたら、お気軽に税理士法人タクトまでお問合せください。

参考:国税庁HP「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf